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10月も後半ということで、何かの投票に向けて読了作品を整理しなければならないようです。というわけで今年(昨年11月以降)読んだミステリやそれに類するものを列挙してみます。いずれ書く必要があるみたいですし。以下作者敬称略五十音順。
- 歌野晶午『密室殺人ゲーム王手飛車取り』
- 尾関修一『麗しのシャーロットに捧ぐ』
- 北山猛邦『少年検閲官』
- 久住四季『トリックスターズC PART1』
- 桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』
- 杉井光 『神様のメモ帳』
- 西尾維新『不気味で素朴な囲われた世界』
- 道尾秀介『片眼の猿』
- 森博嗣 『ηなのに夢のよう』
- 米澤穂信『インシテミル』
- 米澤穂信『遠まわりする雛』
はい、見事に読んでいません。前半はわりと努力して読んだのですが、後半明らかにへたれました。明らかに上位に食い込むと思われる『首無し』さえ読んでいません。というか貸りたのに読まないで返しました。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめ
お約束の懺悔もほどほどに、まず「この」のための選抜。
昨年『夏期限定』が10位だったのを鑑みれば、青春小説としてもミステリとしてもさらに面白い『遠まわりする雛』が10位以内に入るのは至極当然です。しかし今年は他にも面白い作品が多いので、実際にはどうなるか分かりません。というか周辺に読んでいる人がほとんどいないので、我が部からは1票も入れられない可能性が濃厚です。ああ、もったいない……。
2は単純に物語が面白かったです。ミステリだけ見るとあっさりですが、明かされる真相には三世代ぶんの時代の重さを感じました。3は予想の斜め下を行く道尾らしい一作だと思います。他1作も読んでませんが。よって票が割れるだの割れないだのそんなの関係ねえなのです。
4は同情票とか期待票とかではなく西尾維新嫌悪票です。もっとミステリを! 歪んだ青春を! 5は後述ですがミステリとして新しそうな試みをしていたと思います。6は潔さ+世界観のかっこよさ。さすがは北山さんだと言わざるを得ないです。
続いて「本」のための選抜。5作で限界です。
こちらについてはあまり語れません語りたくありません。とりあえず1は古今東西あらゆるミステリのガジェットを用いながら、あえてそれを外しているあたりが物珍しかったと思います。2は深読みすればするほど本格っぽくメタっぽく読めてくる不思議。深読みしすぎだと思います。というか1も2もメタっぽいですね。ところでメタって○米田師匠の愛称ですよね。
3は色眼鏡を外せばわりと本格っぽいです。いやまじでまじで。探偵の扱い方や犯人の動機などの皮肉ぶりは何だか1・2に通じるものがあると思うのです。まあ本格「っぽい」だけで、実際はアレでアレなトリックとか、小細工に使えそうなキャラを生かしきれていないところとか、色々目も当てられませんが。そこはほら「脱本格」とか「変格」とか言って誤魔化すのがぼくらのお約束じゃないですか。4と5は前述のとおりです。