15.『付喪堂骨董店 2』御堂彰彦

付喪堂骨董店〈2〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)

付喪堂骨董店〈2〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)

 ら・の・べ! ら・の・べ!
 ……失礼。取り乱しました。自重します。不思議アイテムを取り扱う骨董店シリーズ2作目です。設定買いしても、いいよね。
 このシリーズの何がいいって、安易なハッピーエンドに走らないところです。登場人物が誰も死ななかったり生き返ったり、悪人も改心して大団円のぬるま湯ストーリーが跋扈する昨今の漫画・アニメ・ラノベ。この嘆かわしハッピーエンド潮流の中、そこはかとない後味の悪さを噛み締められるのがこのシリーズです(褒めてます)。というかこれが作者の作風なんでしょうか。
 基本的に前作と変わらず、不思議アイテムに魅了された人が堕ちるところまで堕ちる話です。こっそり伏線が張ってあったり意外性があったりで、ミステリと言えなくもなくもないです。
 ちなみに前作と変わらず、ヒロイン視点の4話目だけは残念です。ツ何とかと天然が好きなあなたにおすすめです。残念です。