35.『黒い仏』殊能将之

黒い仏 (講談社文庫)

黒い仏 (講談社文庫)

 円載にまつわる秘宝探しと身元不明の死体。
 意外すぎる反転や結末、何よりミステリを皮肉ったような態度は面白いし、大好きです。思わずにやりとしました。
 けれど残念ながら、それ以外の部分が全然面白くありませんでした。探偵や助手を始め登場人物が退屈した。仏教用語は挫折する前にすっ飛ばしました。『ハサミ男』くらい最初から最後まで読み応えがあれば、きっと好きな作家になっていたと思います。