32.『容疑者Xの献身』東野圭吾
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/08/25
- メディア: 単行本
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面白いです。さすがです。真相を知ったとき、思わず声を上げていました。今まで信じていた世界、既成観念が覆されたときの呆然。途中で気がつく人もいたそうですが、私はまったくでした。おそらく気づかせないための仕掛けが自然だったんでしょう。久しぶりにミステリの面白さを味わった気がします。
人物については方々で言及されているので、特に何か追記するつもりはありません。あくまで個人的な感想を言えば、あの人物像は「あり」です。ただし物語を展開させるための装置としてです。犯人や母娘があんな行動を取ったのも、すべて装置としての機能だと思います。装置に同情も嫌悪もしません。
欲を言えば、最後の展開も含めてすべて犯人の計画通りだったら素晴らしいな、なんて。私は腹黒い人間が大好きです。何とかノートみたいな。「計画通り(ニヤリ)」みたいな。