『星を継ぐもの』ジェイムズ・P・ホーガン

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

<あらすじ>
「月面で発見された死体は、実は5万年前に死んでいたんだよ!」
「な、なんだって――!!」
 というわけで、いやあこれは面白かったです。とにかくスケールがでっけえです。空間的にも時間的にも学問的にも広い広い。基本的に説明が多くその上翻訳物とくれば、普段の私ならページを開かずぶん投げるところですが、今回は最後まで飽きずに読めました。新しい事実が分かるたびにまた分からないことが増えて……の連続で、常に先が気になって仕方なかったです。
 説明が多いとはいうものの、お話の部分もいいのです。例えば

「ようし、これで貴様とおれの一騎打ちというわけか、え?」彼は宇宙に向かって悪態をついた。

とか、

「ありがとうよ、兄弟」彼は片目をつぶってそっと呟いた。「そのうちきっと、何かの形でこの礼はさせてもらうよ」

とか。宇宙に向かって喧嘩売ったり兄弟になったりいちいち格好よすぎだろうお前ら。あと最後の一文はもうね、素晴らしいじゃないですか。
 真相に関しては賛否両論あると思います。学問やってる人から見れば鼻で笑うような内容かもしれません。けれどある一つの概念に執着せず、色々な方面からものを見るのは大切だと思うのです。そういう意味ではミステリかもしれません。
 あ、あとわりと真面目に感想を書いてきた(つもり)ので言わないでおこうと思ったのですが、せっかくなのでテンションに任せて言ってしまいます。ダンチェッカーはツンデ(自重)