『ライトノベルを書く!』ガガガ文庫編集部・編

 「何故買ったのか?」その問いに対する答えは「そこに乙一の書き下ろし短編が掲載されているから」です。
 その短編『UTOPIA』ですが、それなりに面白かったです。異世界ファンタジーど真ん中でした。剣とか竜とか出てくるあれですね。乙一が書くファンタジーとは気色が違いますね。とはいえ、話の展開などはいつもの乙一っぽい気がしました。なるほどそうきたか、という感じです。
 さらに面白いことに、この『UTOPIA』のメイキングがいっしょに掲載されているのです。袋とじです。でなきゃ立ち読(規制)。プロットや肉付け、推敲の過程がわりと詳しく書かれていました。プロの作家(というか乙一)はこんなふうに書いてるんだふうん、と思ったり思わなかったりしました。まあ参考程度ですね。
 他にもライトノベル作家の創作技法に対するインタビューや、創作のための読書案内なんかが載っていて、なかなか充実した一冊だと思います。ライトノベルもしくはそれに類似したものを書こうとしている方は参考にしてみるといいと思います。