19.『時をかける少女』筒井康隆

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

 タイムリープ能力を手に入れてしまった少女を描く表題作、他二編を含む短編集。
 おお神よ今ここに懺悔します。私はこの作品がライトノベルだと信じて買いました。しかしとても似つかぬものでした。古い。会話や思考が古いです。古典ジュブナイル? まあ書かれたのが40年前らしいので当然でしょうか。
 文章は軽いので一気に読み飛ばせます。しかしお世辞(かどうかはさておき)にもラノベとは言えません。ラノベは軽い文章以外の何かを含んでいる証拠だと思います。
 ……ええと、そろそろラノベラノベ言うのは止めましょうか。ラノベを期待した私が悪かったのです。ごめんなさい。
 内容は、書かれた当時は斬新だったのではないでしょうか。SFはあまり読まないので分かりません。あと私は評論家ではないので、「当時は斬新だった」ことに価値を見出しません。
 表題作はあっさり青春風味の「いい話」でした。「悪夢の真相」がほんのりミステリ風味で面白かったです。
 今公開中の映画はストーリーが若干変わっているようなので、一度観てみたいです。